被爆75年

 広島と長崎に原爆が投下されてから75年目を迎えた。広島で約14万人、長崎で約7万4千人が5カ月のうちに犠牲になった。被爆者健康手帳を持つ被爆者は約13万6千人が今も後遺症に苦しんでいる。7月広島地裁は原爆の実相を無視して指定した援護対象区域で「被爆体験者」と線引きされ施策に差をつけられてきた「黒い雨」を浴びた人々を被爆者として認定した判決にも、首相は何も語らなかった。

 広島の松井市長も長崎の田上市長も平和宣言で共に訴えたのは「核禁止条約」への署名と批准だ。日本政府は『核兵器廃絶というゴールは共有しているがアプローチが違う』『立場の異なる国々の橋渡しに努める』との立場を繰り返すのみで、そのための行動は見えない。米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約は失効し、新戦略兵器削減条約(新START)の延長も危ぶまれている。国連で「核兵器禁止条約」が採択されてから3年、既に44ヵ国が批准し法的効力を発する批准50ヵ国に近づき年内にも発効する可能性がある。被爆国日本の姿勢が問われている。核兵器は「必要悪」ではない「絶対悪」なのだ。

 こんな中自民党が国の抑止力向上を求める「敵基地攻撃能力」を提言した。専守防衛と日米安保条約の下、日本は守りに徹する「盾」、米国は打撃力を伴う「矛」という役割分担をしてきた。日本政府は「敵基地攻撃を目的とした装備は考えていない」としてきた。攻撃する目標を常時把握する、必要な装備をそろえる、相手が攻撃に着手したかの見極め等膨大な変更であり、先制攻撃の危機もはらんでする。安倍首相の前のめりの姿勢は断じて容認できない。

<[8]土曜街宣、[4]役員会、常幹、[6]道政懇、■資料:敵基地攻撃、コロナ予備費、>