真剣に食料安保

 過日(5/27)恒例の「農業白書」(食料・農業・農村の動向)が公表された。『国内生産ますます重要』『輸入多角化、自給率向上』とは述べつつも、今日の状況の深刻さが伝わってくるには不充分と云わざるを得ない。

 云うまでもないが、コロナ禍による需給の変化、世界的な異常気象の頻発、ウクライナ紛争、等々世界中で資源の奪い合い、特に食料の争奪が激化している。取分けウクライナ侵攻は食料や資材(肥料・エネルギー)の輸出を規制し武器として位置づけられ、耕地は破壊され、港も封鎖されるという状況だ。加えて農産物輸出国も当然ながら自国優先で輸出規制を強める。世界との「経済連携協定」を優先し、役割分担(ボーダレス)という食料を自由貿易の生贄にしてきた我が国の病状は深刻だ。

  食料は「武器より安い武器」が現実となっている。コメ余りと畔の再生と転作推進と水田活用交付金の矛盾、酪農の大型化と牛乳余り、輸出促進とみどり戦略等々、我が国の曖昧な「国家戦略」が問われている。真剣に考えなければならない事態だということを認識しなければならない。

<[14]ライオンズ運営委、[16]農政ネット役員会、[18]ライオンズスクール、[資料]農業白書(5/28道新)、成立農法(6/16農新)、自給率(6/21道新)>