マクロの怪Ⅰ
安倍政権の特徴は「経済成長」と「安全保障」であることは、誰でも知るところであるが、今国会の施政方針では「安保」問題を極力隠し、専ら「成長」に力点を置いた。
成長のためには「改革」を強調するとともに「成果」も強調した。『■有効求人倍率は22年振りの高水準、■名目賃金は中小企業の65%が賃上げ、■企業の経常利益は過去最高水準、■上場企業の自己資本比率は政権発足時の1.5倍、■倒産件数は24年振りに1万件を下回った。』というのだが、マクロの話、名目の話であり、実質賃金は(19カ月連続)マイナスであり、実質GDPはマイナスである。この時安倍総理は『総雇用所得で見なければいけない。…これはずっと上昇している。』と説明するのである。ここで問題なのは、物価上昇分を差引いた「実質」であり、マクロで見ると「格差」が表に出てこなくなってしまうことである。
加えて『資本主義では格差は拡大する。』とするトマ・ピケティの主張は『行き過ぎた再配分は社会活力を奪う。』と反論した。景気の6割は「個人消費」である。今政治が考えなければならないのは「成長か配分か」ではなく「配分に基づく成長」なのだ。
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