所得倍増は分配から投資へ

 先週は久し振りに忙しい週だった。5月10日は思いもかけない叙勲を頂くこととなり、授与式で皇居に行ってきました。戻って14日は帯広でライオンズクラブ地区年次大会という一週間だった。

 一方国会では、13日には岸田首相の看板政策である「経済安全保障法」が成立した。16日には経済財政運営の指針「骨太方針」の骨子案が示された。そして17日には2.7兆円の補正予算が閣議決定された。とりわけ6.2兆円に及ぶ緊急経済対策(物価対策)は企業物価上昇が10%となり、いずれ消費者物価上昇へと連動してくることは明白だ。(数カ月遅れて3%程度押し上げるといわれている)賃上げが吹き飛んでしまう状況だ。この状況でも日銀は動こうとしない。未だに9年間に及ぶアベノミクスのトリクルダウンを信じているのだとすれば、余りにも錯誤・無策といわねばらなない。

岸田首相は成長戦略の目玉だった「分配」から「資産所得倍増」を打ち出した。もともと掲げていた金融所得課税で1億円の壁の打破と矛盾するのではないか。資材・食料・エネルギーを外国に依存している我が国は家計に逼迫が予想される。所謂「ショックドクトリン」(惨事便乗型資本主義)(火事場泥棒)が闊歩することを心配する。

<[10]皇居石橋・正殿、[14]ライオンズ地区年次大会、[資料]経済安保法(5/12東京)、所得税負担率(5/18朝日)、GDP(5/19読売)、骨太方針(5/17道新)、補正予算(5/18道新)、>