誰のため、何のため

 子育て世帯への10万円給付が迷走している。5万円を年内に現金給付、残りの5万円を子供の入学時にクーポンで支給する、というのが当初の政府案であった。しかしその後クーポンの5万円も現金でもよいとなり、今日15日には一括現金給付でも可能となった。元々“誰のため、何のため”という政策目的が曖昧だったことに起因している。

 主たる生計者の「年収960万円未満」という仕組みは、専業主婦がいる世帯は制限を上回ると支給を受けられない一方で、世帯全体の収入が共働き世帯は給付対象になる。共働き世帯が増えている現在にはそぐわないものだ。 支給の理念も「子育て政策」なのか「景気対策」なのか、あるいは「貧困対策」なのか目的も目標も全く不明である。 ■「クーポン配布」も、持続化給付金を巡る血税中抜きの構造がアヤムヤのまま、同じことを繰り返そうとしている。先ずはキチンと検証すべきだ。

 「賃上げ税制促進」は法人税の控除とセットとなっているが、3%引き上げに結び付けるチェックの仕組みが必要だ。介護職・保育士・看護師の賃上げも、低賃金・重労働に起因する慢性的な人手不足に対する抜本的な制度改革が必要だ。

<[10]富良野市労連退職者会、[11]6区定大、[資料]給付対象(12/15毎日)、与党税制大綱(12/11毎日)、税制改正の課題(12/11日経)、賃上げ政策(12/11道新)>