種子ビジネス

2017年、主要農作物種子法の廃止が成立した。(野党は反対)その理由は「民間企業への参入」、所謂アベノミクス農政の一環である。「農産物・食料の需給と価格の安定」という政策責任の放棄であり、公共種子・農民種子を多国籍企業が開発した特許種子に置き換えようとする世界の動きの一環 ではないかと危惧する。

種子は最も基礎的な農業資材であり、 「種子を制する者が世界(農業と食料)を制する」と云われる所以である。1952年(S27)に「優良な種子の生産と普及促進」を目的に制定され、我が国の“公的育種機関”として主要農産物の育種を担ってきた。1986年(S61)の改正では都道府県種子協会に民間事業者を加えた。この頃からGATT(WTO)多角的貿易交渉が激化する時期と符合する。以後、食料は“戦略物資”として貿易交渉の重要な分野となっている。アメリカ・カナダ・豪州・英国でも小麦種子(主要穀物)の大部分は公的機関が担っている。

民間と知見を共有することを否定するものではないが(現在でも野菜種子の90%は民間)、農水委員会でも議論になったのは民間=外資(種子メジャー)の参入に広がる懸念である。タネのモノカルチャーが文化(食や地域)の単一化に繋がることを阻止しなければならない。

<[7]コロナ対策本部、[5]青山公園、■[報道]コロナ対策:個人向け支援(読売)、PCR検査数(日経)、[資料]:国別種子産業(農水省)、種子業界ランキング(ビジネスIT)、GM種子の作付け(三井物産)、野菜種子のシェア(農水省)>