知の地平線の拡大

10月5日には北里大学特別栄誉教授の大村智氏がノーベル医学生理学賞、6日には東京大学教授の梶田隆章氏がノーベル物理学賞を受賞した。大村氏は、アフリカや中南米で猛威をふるっていた風土病(寄生虫病)『オンコセルカ症(河川盲目症)』の治療薬『イベルメクチン』の開発(犬のフィラリア病の薬でもある)が評価されたもので、年間3億人の人が救われているという。一方梶田教授の研究は、それ以上は分割できない素粒子『ニュートリノ』の研究で、『ニュートリノ』の振動と、重さ(質量)がないとされていたこれに重さがあることを証明したことによるものである。

此処で気になるのが、近年は「産業技術」と称され、科学技術が短期間で実用化される“成果”に重点が置かれていることである。主要国の政府負担研究費対GDPを見ても、日本は0.68%(2011年)で世界に比しても低い方である。特に、大学や国の機関でなければできない「基礎研究」に即効性の成果を求める近年の風潮は、ノーベル賞は勿論、我が国の将来にとって正しい選択とは思えない。

お二人は「この研究がすぐに役立つものではないが、人類の知の地平線を拡大するようなもの」といっている。お二人は人間性も豊で、「微生物の力を借りているだけ、私が偉いことをしたのではない」(大村氏)「カッコいいものは持ち合わせていない、きちんと研究を進めてきたのが良かったと思う」(梶田氏) 見直そう!見習おう!

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