評価できない、TPP大筋合意

20151006.TPPポイント9月30日から開催されていた、TPPアトランタ交渉会合は3日(5度)の延長の末、5日深夜(現地5日朝)遂に大筋合意に至ってしまった。我々も30日から民主党派遣で德永参議、福島衆議と共に渡米、国際NGO、カナダ農業団体、日本農業団体、与党議員や政府交渉官らと、情報収集や意見交換、状況分析を行った。3日間延長になったことで、会合の結果を見届けることなく帰国せざるを得なかった。

今回の大筋合意の内容は「国益」に即しているとは到底評価できない。国内では主食用米から飼料用米への転換を誘導しながら、米国米に特別枠を設ける、牛肉や豚肉の関税を大幅に引き下げるなど、農業者に極めて大きな打撃になる事は必至である。各国が自由貿易の拡大と、自国の国益で苦悩する姿を目の当たりにしてきたが、日本の自動車分野に於ける早々の譲歩や、国会決議を守るための粘り強い交渉姿勢は見られず、むしろ日本の“前のめり”な姿勢が目立ち、とても成果が得られたとはいえない。

安倍政権の成長戦略は、農業・雇用・医療の規制改革であるが、今回の大筋合意は当にこれを一気に競争社会に追い込み、格差を拡大させるものである。今後は国内の影響を徹底検証し、さらなる格差拡大を阻止する為の国会議論が必須である。

<[9/30~10/3]TPP交渉派遣、[4]森フェスタ、ラジオ体操会、[5]団体訪問、>

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