今週の5○7○5○

  

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創生より維持・再生

近頃「人口減少」「地方創生」が頻繁に取り上げられている。人口減少は確かに深刻な問題だが、取り上げられている女性の社会進出は300人以上の企業に女性登用の努力義務づけ(企業任せ)たが、働く女性2400万人の半数以上が非正規雇用だ、更に今国会に派遣法の改正(悪)を提案している。

人口減少の深刻なのが地方であるが、実際の施策は逆行している。地方を支えている中小企業は80年代後半から開業と廃業が逆転を目ざすとしているが、施策は未だ見えてこない。地産地消が進んでいる再生エネルギー固定価格買取り制度を見直すと言う。教育においては35人学級の見直や全国約3万校ある公立小中学校を5462校減らせると財務省が統廃校を提示しようとしている。混合診療や自由診療の導入がいわれているが大病院に限定される話だ。農(林漁)業はどうだろう企業参入を許し大型化を促進するということは、農(林漁)民を減らし農(山漁)村を消滅させることになるのだ。

「創生」は新しいものを創るということだが、実態は地方を支えている基盤を次々と規制緩和で崩壊している。これらの基盤を「維持・再生」することこそが必要なのではないか。

<規制改革見直し>

20141015.(A)勧告規制緩和 20141024.(D)新規制改革

地方創生の矛盾

10月14日地方創生関連法案の審議が始まった、創設される交付金について、安倍首相はバラマキ型の投資は断じて行わない』『地方自らが政策目標を設定して厳格な効果検証を行うと共に、やる気のある地方の提案を競い合ってもらうことを前提に、必要な支援策を検討すると答弁した。

地方が活性することに異論は無い。しかし日本銀行の地域経済リポートによると大都市圏に比べて、地方は回復が遅れ気味と発表している。現在の日本の経済構造は中央と地方がピラミッドのように繋がり、経済政策が地方に“滴り落ちる”構造にはなっていない。経済がグローバル化しているにも関わらずアベノミクスはグローバル経済に焦点を当てた政策である(元東大学長佐々木毅氏、経営共創基盤CEO冨山氏)との指摘が的を射ている。

アベノミクスもTPPも地域給与制も「地方格差」を益々拡大することは必至である。地方創生の6府省14事業を見ても従来事業の焼き直しで、新型交付金が既存の地域活性化補助金の付け替え(予算取り)になる可能性がある。安倍首相!頑張っていない自治体などありません!政策目標を設定していない自治体などありません!

20141021.(Y)景気回復20141011.(K)地方創生5分野

20140902.(Y)人口減政策  20141022.(D)地方創生事業

 

 

減速世界景気

世界経済の先行きへの不安が広がっている。堅調と見られていた米国の株価が急落、小売売上高も予想を下回っている。ユーロ圏の日本化(通貨高と賃金下落)、日本も個人消費の低迷から脱せられない。という三極の状況なのだ。

三極にはそれぞれの事情がある、米国にはユーロ安ドル高が続き輸出に悪影響が出始めた。ユーロ圏には「日本型デフレ」などといわれるバブルの負の遺産、設備投資・賃金低迷、構造改革の遅れが続いている。ドル高・ユーロ安政策はユーロ圏からの輸出は増えるが、それは他地域への需要を不自然な形で奪うことになり世界経済の不均衡を招くとの指摘もある。更にユーロ安により食料品や燃料価格の高騰を招く(現在の日本がそうだ)との指摘もある。

我が国の円安・株高も陰りを見せ始めている、そもそも円も株もマネーゲームであり実体経済とは言えない。実体経済を反映する企業の設備投資と個人消費は首都圏を除いては伸びていない。これらを解決するのは旧来型の景気対策から脱皮して、(日本のみならず)雇用の安定と社会保障の充実による将来安心なのではないか。

<株・マネー市場、世界経済動向>

世界の株価・マネー
世界の株価・マネー
世界経済動向
世界経済動向

耕す文化

現在の「食料・農業・農村基本計画」は民主党政権によって2010年に決定している。5年毎に見直されるので、現在審議会で議論されている最中である。

論点は2つある、1つは現行の「自給率目標50%」である。自給率目標は2000年45%を2005年には設定されていない状況の中で、我々は4ヶ月に及ぶ議論の末50%を掲げた。確かに意欲的な目標であるが、農業者の取組意欲と国としての決意として決定した。しかしまたしても目標先送り、若しくはカロリーベースではなく生産額ベースにする(あるいは併記)等が浮上しているようだ。「生産額」の場合カロリーより価格の高い野菜・果実の効果で差が縮小はするが、先進国中最低水準であることに変わりは無い。此処で重要なのは国家として「主要食料」の位置付けである。

もう1つは「担い手」である、我々は戸別所得補償を柱として「多様な担い手」を目ざした。現に2011年の戸別所得補償制度申請件数は122万件で2009年の8万件の15倍にもなった。より多くの農家が参加する仕組みとしては極めて大きな効果を発揮した。それでも自然減を防ぐことはできないが、自給率目標による「食料・農業」に加えて家族農業維持は「農村」の維持という目標に寄与したと確信している。これこそ「地方創生」である、農業はアグリ(耕す)カルチャー(文化)なのだ

20141014.食料自給率国際比較
自給率カロリーベース
20141015.自給率生産額ベース
自給率生産額ベース
20141015.戸別所得加入者
戸別所得制度加入者

地方と女性

第187国会が開会した。 「地方創生」「女性が輝く社会」がテーマだという、このテーマに異論はないが「集団的自衛権」「原発再稼働」「消費税」等の重要課題については『検討中』『白紙』を繰り返すつもりなのか。

地方では都市圏の大企業のような賃金上昇はなく個人消費も伸びていない。地方では車移動が必須でありガソリン高は大きな影響となる。円安による原材料高騰は生活必需品の物価上昇となって影響してきている。特に地方を支える中小企業や農林漁業の資材高騰は「格差」を更に拡大している。首相の所信は『やればできる』『政府一丸と…』『一緒に…』(04秋/小泉首相と殆ど同じ)というだけで結局は地方の創意任せである。地方の創意というのであれば、補助事業よりは「交付金」を増やすべきだ。

地方創生政策も各省の焼き直しでしかも類似事業が多いが、女性政策も既存の施策をパッケージにした感を否めない。子育て、介護、健康、働き、起業、地域活動など多様なニーズに一つ一つ応えることだ。

20140914.(Y)178国会 20140923.(K)消費格差 20141004.(D)女性活躍政策 20141004.(Y)予算委争点

マクロとミクロ

三本の矢(アベノミクス)の株高・円安はバブル(マネーゲーム)であり、実体経済とは必ずしもリンクしない。例えば、円安が10円進めば上場企業は1.9兆円の増益効果があり、非上場企業は1.2兆円の減益になる。
更に輸出や海外展開に縁の無い中小企業・小売・サービス等内需産業に円安メリットはない、加えて輸入原材料や電気料金の高騰によって生活や経営は圧迫されている。

企業再生の冨山和彦氏は、企業のグローバル化が進むほど国内の比重下がり『トリクルダウン』効果は起きないと指摘しています。更に、いまや日本経済の雇用者数も付加価値も7~8割はサービス産業であり、これは基本的に地域密着型の労働集約的産業になっている。よって従来の加工型グローバル産業中心の政策の転換を指摘しています。又ローカル経済の医療・介護・交通は公共サービスを担っており安易な規制緩和はすべきでないとも指摘しています。

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マクロ経済では、極一握りの大企業が膨大な利益を上げたとしても景気は良くなったこととなる、所謂「格差景気」である。TPPの試算でも全く同じ結果になる。マクロ経済もトリクルダウンも「理論」であって、そこにミクロの生活者や地方という現実が無視されてしまう、『岩盤にドリルで穴を』開ければ、岩盤(生命・生活)崩壊である。

危機管理

私たちの地域も豪雨被害を被ったが広島の「豪雨被害」や「原発対処」あるいは「集団的自衛権」等々危機管理に関する出来事が相次いでいる。しかし「危機管理」とは一体何なのか真剣に考える必要があるのではないか。

今論議されているのは「危機対処」(クライシスマネジメント)であって「危機管理」(リスクマネジメント)ではないのではないか。そもそも、あらゆる可能性を予測してそれを回避するための施策を講じるリスクマネジメントなど不可能なのだから、発生した危機に如何に対応するかクライシスマネジメントを高めるべきだという考え方もあろうかとは思うが、しかし、事前に危機予測を共有し皆(国民・組織)が危機に対する心構えをすることが必要なのではないだろうか。

自衛の最大の危機管理は情報共有(見える化)であり外交である。集団的自衛権行使は危機対処そのものであり、事後処理ではなく事前回避こそが必要なのだ。

健康寿命

敬老の日は1947年兵庫県多可郡野間谷村(現、多可町八千代地区)が「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村づくりをしよう」と提唱した「としよりの日」が始まり。1965年に祝日として制定された。

総務省の発表によると、日本の65歳以上の高齢者人口は昨年比111万人(0.9ポイント)増の25.9%となり1/4を超えた。75歳以上は31万人増の12.5%となり1/8となった。厚労省発表の平均寿命は初めて80歳を超え80.21歳となった。女性は86.61歳で2年連続世界一、男性は初めて80歳代となり80.21歳で世界第4位(昨年5位)となった。更に100歳以上の高齢者は5万8820人で44年連続最多更新である。

こうしたデーターの他に「健康寿命」というのがある、介護を必要とせず自立して生活できる年数のことだ。男性70.42歳、女性73.62歳ということなので、平均寿命とは10歳程度の差がある。この期間を出来る限り短縮することが望ましいのだが、平均寿命の延びが健康寿命の延びを上回るため拡大する傾向にある。元気な高齢者を増加することと、健康を損ねた人々の対策の両面が必要なのだ。

人口減少社会.2

近頃「人口減少社会」「消滅自治体」についての報道が目につく、政府は早速「まち・ひと・しごと創生本部」なるものを立ち上げて対策に乗り出した。と言えば聞こえは良いが、アベノミクスの効果が思わしくないのと、明春の統一自治体選挙を睨んでのことではないかとの憶測も流れている。

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幾つかの予測・推計が発表されているが、総務省の2013年人口推計は1億2729万8000人で人口減少は今後も続くと予測している。近頃話題になった日本創生会議は現在約1800自治体が40年後には896自治体(49.8%)が消滅の恐れがある(国交省も6割の自治体が人口半減を予測)と発表した。更に国交省・総務省の報告では全国に142,377ある集落の内、過疎地域は64,954集落あり(その内限界集落は1割)、10年後・何れ消滅集落は合わせると2,643集落になると報告している。

そこで各省の提唱は、総務省は「地方中核拠点都市」「定住自立圏」、国交省は「高次地方都市連携」、経産省は「ローカル経済圏」中味は“インフラ整備と自治体連携”何れも従来の“焼き直し”でしかない。そしてそれを総合的に進めるのが「創生本部」というわけだ。

これらの政策は残念ながらこれまで効果を発揮していない。対策としてはヨーロッパが既に取り組んできた、子供を産み育てやすい環境づくり(子供の社会保障はOECD25/29)と、農山漁村の定住対策(デカップリング補償、田園回帰)に大転換を図るべきである。

食料自給率

食糧自給率について様々な主張が飛び交っている。政府が5年毎に計画する「食料・農業・農村基本計画」を意識してのこととも思われる。

見直し論の中心は現在の「カロリーベース」に対するものだ。『肉類(カロリーの高い)の消費が増えているのに輸入に頼っている飼料がカウントされない。』『麦・大豆への転作奨励金の費用対効果がない。』『分母が全熱量合計であり、分子が国内で賄われた熱量で計算するため、食品ロスがカウントされる。』中でも中傷としか思えない批判が『エネルギー自給が4%しかないのに、食料自給率を向上させても意味がない。』『減反政策が、コメ作りをおいしくて高級に偏重した。』等々だ。

これらの主張には決定的に欠落していることがある。食料自給率目標には、カロリー・穀物(従来)・重量・生産額など様々あるが、例えば「生産額」にすれば野菜や畜産品がカウントされるようになるので66%まで上昇する。■しかしこれでは物価の違う諸外国との比較で信憑性が薄くなる。■エネルギーとの比較は輸入に使われる「エネルギーマイレージ」や「ウォーターマイレージ」が国際問題になっているときに論外である。

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■そして自給を考える時に必要なことは「主要食料(穀物)」の自給ということである。コメ・麦・大豆などは私たちの主食であり、代替が効かない食料は最低限の自給を確保する必要があるということだ。

農業に携わる時よく「安くて、おいしくて、安全」といわれるのだが、この三要素を全て満たすのは至難だ、安さを求めれば中国での加工食品やアメリカのGM(遺伝子組み換え)のように安全を損なうリスクを伴う。おいしさを求め過ぎると食品添加物多用の危険性が伴う。過度な原発依存も安全のリスクを考えれば再生可能エネにシフトすべきである。