耕す文化

現在の「食料・農業・農村基本計画」は民主党政権によって2010年に決定している。5年毎に見直されるので、現在審議会で議論されている最中である。

論点は2つある、1つは現行の「自給率目標50%」である。自給率目標は2000年45%を2005年には設定されていない状況の中で、我々は4ヶ月に及ぶ議論の末50%を掲げた。確かに意欲的な目標であるが、農業者の取組意欲と国としての決意として決定した。しかしまたしても目標先送り、若しくはカロリーベースではなく生産額ベースにする(あるいは併記)等が浮上しているようだ。「生産額」の場合カロリーより価格の高い野菜・果実の効果で差が縮小はするが、先進国中最低水準であることに変わりは無い。此処で重要なのは国家として「主要食料」の位置付けである。

もう1つは「担い手」である、我々は戸別所得補償を柱として「多様な担い手」を目ざした。現に2011年の戸別所得補償制度申請件数は122万件で2009年の8万件の15倍にもなった。より多くの農家が参加する仕組みとしては極めて大きな効果を発揮した。それでも自然減を防ぐことはできないが、自給率目標による「食料・農業」に加えて家族農業維持は「農村」の維持という目標に寄与したと確信している。これこそ「地方創生」である、農業はアグリ(耕す)カルチャー(文化)なのだ

20141014.食料自給率国際比較

自給率カロリーベース

20141015.自給率生産額ベース

自給率生産額ベース

20141015.戸別所得加入者

戸別所得制度加入者